ちなみに、「アンサリ・エックス・プライズ」(Ansari X Prize)の受賞条件は下記の通りだったそうです。 * 乗員3名搭乗(パイロット1名、プラス乗員2名分のバラストでも可) * 高度100km以上に到達 * 1回目の飛行から2週間以内に、同一の機体を再使用して 2度目の飛行を実施 * 最終〆切は2004年末 ということで、最初の高度100km達成飛行は、1名しか搭乗していないため、これにカウントされないそうです。 それと、SS1のトリビアをもうひとつ。 同機の機体番号「N328KF」は、目標高度の328キロフィート(100km)からきているそうな。 ホントは「N100KM」にしたかったそうだが、こちらの番号はすでに取得されていました。残念!!なのだそうだ。 航空機の登録記号も車の希望ナンバーみたいなことができるのね、米国って(笑) |
HISTORY 人類史上初の「民間宇宙船」。 これまで宇宙への挑戦は、いずれも国家の主導で行われ、大多数の人々も、「宇宙開発は国家の仕事」と当たり前のように思ってきた。 なにしろ、宇宙へ行くこと自体は、何らかの利潤に即、結びつくわけではない上、その運行手段の開発と維持、そして運行そのものにもべらぼうな金額の資金が必要とされるのだから当然である。 しかし、あえて、その無茶に挑戦した熱い奴らが、米国スケールド・コンポジッツ社とそのスタッフ達である。 (同社は大企業からの試作機製作の請負や自社設計の飛行機の製造販売などを行っている会社である。) さて、そんな彼らが「国家機関が介在しない、純粋に民間人だけの力による有人宇宙飛行」に挑むべく作り上げたのが、ご覧の機体「スペースシップワン」、通称「SS1」である。 同機は2004年6月21日に、高度100kmを越え、「民間機」として史上初めて「宇宙」へ到達した。 しかも驚くなかれ、その際のパイロット、マイク・メルビル氏は当時63歳!日本のそこらのおぢさんなら、とっくに定年退職している年齢である。 しかも、メルビル氏は軍歴がなく、いわゆるジェット戦闘機などの操縦経験を持たない「生粋の民間飛行士」なのだそうだ。(彼は現在、スケールド・コンポジッツ社の副社長だとか) 彼はこの成功によって、アメリカ連邦航空局の商業宇宙飛行士第1号の認定を受けた。 また、この後同機は、民間宇宙船開発に対する懸賞制度「アンサリ・エックス・プライズ」に挑み、見事これに成功、賞金1,000万ドルを獲得した。 ただ、1,000万ドルって、日本円で約11億円なのだが(当時の外国為替レートね)とてもこれでペイできるプロジェクトじゃないのでは、と思っていたら、事実SS1計画には2,000万ドルのコストがかかっているという。 う〜む、「儲け度外視!」男のロマンだなあ(笑) ただ、惜しむらくは、このお星様模様のカラーリングだけは好きになれないんで、どうにかして欲しかったんですけど(笑) IMPRESSION 毎度御馴染みのCURRELL GRAPHICSさんのサイトからです。 当然、非常に高品質。 実は私、恥ずかしながら、このSS1の快挙が新聞報道されるまで、この機体はどこぞのSFもののキャラクターなのかと思っていました(赤恥) というくらい、先進的、というか不思議且つ微妙な3次曲面だらけの形状を持つ機体なのですが、パーツ精度は極めて高く、その上リサーチが行き届いて精密! インストもむろん英語版ですが、説明図が懇切丁寧なので、全然OK! こういう外形なので変則的な部品分割も多くありますが、先に書いたように、高精度で考えぬかれた構成なので、組み立てもとくに困難ではありません。 それにしても、このモデルがリリースされたのは、SS1がこれほどメジャーになるよりもかなり前のことです。 JAXAのRVTのときもそうでしたが、一体この方はどこからこういう情報を入手し、且つモデル化できちゃうほどのリサーチをしているのでしょう? まったくすごい方です。 しかもこれだけのクォリティでフリーモデルですから!(笑) たいしたクォリティでもないくせに、何ドルもふんだくっているどこかの有料サイト!見習え!(笑) ちなみに、この作例は、旧型(っていうのかな)のSS1ですが、(入院中に作りかけで放置していたのをようやく仕上げた)ちゃんとエックスプライズ・ウィナー版(カラーリングと機体形状が一部異なる)のモデルデータもリリースされています。 ホントはエックスプライズ版を作るべきだったのですが(別枠で紹介しているのホワイトナイトと組ませるため)もう1機作る気力が…。 |